経済ニュースダイジェスト

2026/06/23(火)06:00 JST  |  号ID: 2026-06-23-0602

火曜朝の号をお届けします。最大の焦点だった米国市場が、ジューンティーンス休場と週末を挟んで約4日ぶりに22日に取引を再開しました。中東和平のロードマップという追い風がありながら、相場はまちまちの展開です。ハイテク株がAI(人工知能)関連の巨額投資への警戒から売られ、S&P500種株価指数とナスダック総合指数は下落した一方、景気敏感株の物色からダウ工業株30種平均は上昇しました。この日はナスダック100指数が新算出方式での初の銘柄入れ替えを反映した初日にも当たりました。商品市場では原油がホルムズ海峡の供給正常化観測で約3カ月ぶり安値に沈み、為替では円が2024年7月以来の安値圏となる1ドル=161円台後半で推移しています。今週は25日のPCE(個人消費支出)物価指数と、本日のフェデックス決算が次の手掛かりです。新たな動きを中心に5本でお伝えします。

米国市場が約4日ぶり再開、まちまちの引け — ハイテク安でS&P500とナスダックは反落、ダウは上昇

22日(月)の米国株式市場は、19日のジューンティーンス(奴隷解放記念日)休場と週末を経て約4日ぶりに取引を再開し、まちまちの展開となりました。中東和平のロードマップ進展という前向きな材料がありながら、相場をけん引してきた大型ハイテク株に売りが優勢となりました。S&P500種株価指数は前営業日(18日)比0.37%安の7,472.79と最高値圏から小反落し、ハイテク比率の高いナスダック総合指数は1.32%安の2万6,166.60と下げが目立ちました。一方、景気敏感株などに買いが入ったダウ工業株30種平均は148.01ドル(0.29%)高と上昇し、明暗が分かれています。個別では、アルファベットが約5%安、アマゾン・ドット・コムが約4.8%安、マイクロソフトが約3%安、メタ・プラットフォームズが約2.3%安と主力IT銘柄が軒並み下落しました。背景には、AI(人工知能)のインフラ投資(設備投資)が膨らみ続けることへの採算懸念があります。和平期待でエネルギー関連には安心感が広がったものの、市場全体は今週後半の物価指標を見極めたい様子見ムードが残りました。

ナスダック100、新方式で初の入れ替え — コアウィーブなどAI関連5社を採用

ハイテク株の指標であるナスダック100指数で、22日の取引開始前を期日とする四半期の銘柄入れ替えが実施されました。今回は、5月1日に施行された新たな算出方式(順位に基づく四半期見直し)のもとで初めて行われた入れ替えで、構成銘柄のAI(人工知能)色がさらに強まった点が特徴です。新規採用されたのは、GPUクラウドを手掛けるコアウィーブ、AIサーバー向け接続半導体のアステラ・ラボ、AIクラウド基盤のネビウス・グループ、宇宙関連のロケット・ラブ、半導体検査・ロボティクスのテラダインの5社です。一方、除外されたのはチャーター・コミュニケーションズ、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、インスメッド、ベリスク・アナリティクス、ズィースケーラーの5社でした。これにより、指数はAI関連の計算資源(コンピューティング)供給網への連動性を一段と高めた格好です。連動するETF(上場投資信託)の保有資産も自動的に組み替えられるため、再開初日の関連銘柄の値動きに影響した可能性があります。

原油が約3カ月ぶり安値 — ブレント78ドル台、ホルムズ正常化でイラン輸出再開

原油相場の下落が続いています。22日の取引で、米WTI原油は一時1バレル=約74.3ドルと3月上旬以来約3カ月ぶりの安値水準に沈み、国際指標の北海ブレント原油も2.1%安の78.41ドル前後まで水準を切り下げました。一時120ドルを超えた高値からの大幅な調整が一段と進んでいます。背景にあるのは、ホルムズ海峡を巡る供給混乱の収束観測です。イランは同海峡経由の原油輸出を紛争開始以来の高水準まで増やし、中国向け貨物を値引き販売していると伝わりました。あわせて、クウェートが不可抗力(フォースマジュール)宣言を解除し、アブダビ国営石油会社(ADNOC)も供給を再開するなど、湾岸産油国の出荷正常化が進んでいます。米財務省は、イラン産原油の生産・引き渡し・販売を対象とする60日間の一般ライセンス(包括的な許可)を発行したと、ベッセント財務長官が明らかにしました。原油安はインフレ圧力をやわらげる一方、エネルギー関連株の重しともなります。

円、161円台後半で2024年7月以来の安値圏 — 162円目前で介入警戒続く

外国為替市場で円安基調が続いています。円相場は一時1ドル=161円80銭前後と、2024年7月以来約2年ぶりの安値圏で推移しました。記録的な節目とされる162円が間近に迫り、円買い介入への警戒感が市場で一段と高まっています。背景には、米金利の高止まり観測を映した「強いドル」があり、ドル指数(DXY)は100近辺で底堅さを保っています。米長期金利の指標である10年物国債利回りは4.5%台で推移し、日米の金利差が円売り・キャリー取引を支える構図が続いています。片山さつき財務相は、投機的な動きがあれば「断固たる措置」を取る用意があると改めてけん制しました。政府・日銀は4月28日から5月27日にかけて約11兆円規模の円買い介入を実施済みですが、その後の円安進行で得られた効果は限定的との見方も出ています。円安は輸出企業の採算改善や日本株高の一因となる半面、輸入物価の上昇を通じて家計負担を重くする側面も併せ持ちます。

今週の焦点 — 25日に5月PCE、本日フェデックス決算・24日マイクロン

今週は、米金融政策の行方を左右する重要指標と決算が相次ぎます。最大の山場は、25日(木)に発表される5月のPCE(個人消費支出)物価指数です。ウェルズ・ファーゴのエコノミストは、エネルギー高を背景に総合PCEが前月比0.5%上昇し、前年同月比は4.1%へ加速すると予想しています。変動の大きい食品・エネルギーを除くコアPCEは前月比0.3%上昇、前年同月比3.4%との見通しです。上振れすれば、タカ派姿勢を強めるウォーシュ新FRB(連邦準備理事会)議長のもとで利上げ観測が一段と高まり、ドル高・米金利上昇に拍車がかかる可能性があります。企業決算では、本日23日(火)の取引終了後に物流大手フェデックスが2026会計年度第4四半期決算を発表します。市場予想は1株利益5.91ドル、売上高241.8億ドルで、貨物部門の分離後の通期見通しが注目されます。24日(水)には半導体大手マイクロン・テクノロジーが控え、AIメモリー需要を映した記録的な利益率(粗利益率81%程度のガイダンス)が焦点です。世界の物流量とAI半導体需要を測る手掛かりとなります。

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