経済ニュースダイジェスト

2026/06/20(土)22:00 JST  |  号ID: 2026-06-20-2202

土曜夜の号をお届けします。米国市場は前日19日がジューンティーンスの祝日で休場、東京市場も週末入りしており、本日午後以降の新規材料は限られます。そこで本号は、週末も取引が続く暗号資産(仮想通貨)市場の急落、休場明け22日(月)に再開する米国市場の注目点、そして週間で大きく値を崩した原油の3本に絞ってお伝えします。市場全体を貫くテーマは引き続き、ウォーシュ新FRB(連邦準備理事会)議長のタカ派姿勢を受けたドル高・米金利上昇であり、利息を生まない資産やリスク資産への逆風となっています。

暗号資産が週末に急落 — ビットコイン6万2,300ドル台、恐怖指数は「極度の恐怖」

週末も24時間取引が続く暗号資産市場で、リスク回避の売りが強まりました。代表的なビットコインは19日に1枚=6万2,300ドル台まで下落し、6月上旬に付けた7万1,000ドル超の高値から大きく調整しています。下げは主要銘柄に広く波及し、イーサリアムは前日比およそ3.3%安の1,687ドル、リップル(XRP)が約4.6%安の1.12ドル、ソラナが約4.9%安の68ドル台、BNBが約3.2%安の571ドルとそろって軟調でした。市場全体の時価総額は2.1兆ドル近辺まで縮小し、投資家心理を示す「恐怖と強欲指数」は「極度の恐怖(Extreme Fear)」の領域にとどまっています。背景には、タカ派FRBを受けたドル高・米金利上昇でリスク資産から資金が流出しやすくなっていることに加え、相場下落に伴う強制ロスカット(清算)や、米イランの長期和平合意を巡る不透明感の高まりがあります。年初来はETF(上場投資信託)を通じた資金流入が相場を押し上げてきましたが、金融環境が引き締め方向に振れる局面では値動きが荒くなりやすく、株式以上に金利・ドルの方向に敏感な地合いが続いています。

米国市場は22日(月)再開 — 最大の注目は週後半の5月PCE物価

ジューンティーンスの祝日で休場していた米国市場は、週明け22日(月)に取引を再開します。連休明けの経済指標カレンダーは比較的軽めですが、最大の注目はFRBが重視する物価指標である5月のPCE(個人消費支出)デフレーターで、週の後半に公表される見通しです。エネルギー高を背景にインフレの高止まりが続くとみられており、ウォーシュ議長下のFRBが年内利上げの可能性を示したばかりだけに、結果次第で利上げ観測がさらに強まる可能性があります。市場は9月までの利上げ確率を約7割織り込んでおり、PCEが上振れすれば、ドル高・米金利上昇の流れに拍車がかかりかねません。あわせて1〜3月期のGDP(国内総生産)改定値や、半導体大手マイクロン・テクノロジー、物流大手フェデックスの決算も予定されています。とりわけマイクロンの内容はAI・半導体需要の実態を映す手掛かりとして注目され、東京市場で史上最高値圏にある半導体関連株の地合いにも影響しそうです。連休明けの米株が、先週来のFRBタカ派化と金利・ドルの再評価を改めてどう織り込むかが、来週の世界の株式・債券市場の方向感を左右します。

原油は週間で約8.5%安 — ホルムズ海峡で正常化の兆し、サウジ船が3カ月ぶり再開

原油相場はこの一週間で大きく値を崩しました。北海ブレント原油は19日に1バレル=80ドル近辺、米WTI原油は77ドル近辺で推移し、週間ではおよそ8.5%の下落となって、中東情勢の緊迫局面で積み上がった上昇分の大半を打ち消しました。供給不安の後退が主因です。要衝ホルムズ海峡では、緊張が始まって以降3カ月超で初めてサウジアラビア船籍のタンカーが動いたことが確認され、19日(木)には海峡付近を通過・待機する原油がおよそ1,000万バレルに達するなど、輸送の正常化が進みつつあります。もっとも、その後は荷動きが鈍り、20日(金)午前にはペルシャ湾から出航する船が確認されないなど、回復の足取りは一様ではありません。スイスで予定されていた米イランの直接協議が中止となり、長期的な和平合意を巡る不透明感も残ります。供給リスクのプレミアム(上乗せ分)が剥落する一方、海峡情勢の見出し次第では再び振れやすく、当面の原油は地政学リスクとドル・金利の綱引きが続く展開とみられます。

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