経済ニュースダイジェスト

2026/06/18(木)22:00 JST  |  号ID: 2026-06-18-2202

木曜夜の号をお届けします。今号最大のニュースは、日経平均株価が史上初めて終値で7万円台に乗せたことです。前日比1,151円高の7万1,053円と6日続伸し、節目を一気に突破しました。けん引役となったのは、トランプ米大統領が表明したインテルとアップルの米国内チップ提携です。半導体株が世界的に買われ、前日のタカ派FOMCで急落した米株も時間外で反発する展開となっています。本号は、(1)初の7万円台に乗せた東京株式、(2)インテル・アップルの米国内チップ提携、(3)反発に転じる米株、(4)160円台で介入警戒が続くドル円、(5)74ドル台へ下げた原油、(6)4,300ドルを挟む金、の6本でお伝えします。

日経平均、史上初の終値7万円台 — 1,151円高の7万1,053円で6日続伸、半導体株が相場をけん引

18日の東京株式市場で、日経平均株価は6営業日続伸し、終値は前日比1,151円24銭(1.65%)高の7万1,053円49銭となりました。終値ベースで初めて7万円の大台に乗せ、史上最高値を更新しています。前日17日の終値(6万9,902円)から節目の7万円を明確に上抜けた形です。上昇を主導したのは半導体・AI関連株で、トランプ米大統領がインテルとアップルの米国内チップ提携を表明したことを受け、関連銘柄に資金が集中しました。一部の出遅れ半導体関連にはストップ高となる銘柄もみられました。前日のFOMCで年内利上げ観測が浮上し米株が下落したにもかかわらず、東京市場では「日本株の先高観」の強さが改めて意識され、個別株物色が相場全体を押し上げる構図となりました。中東情勢の沈静化期待と原油安によるインフレ・景気減速懸念の後退も追い風です。一方で、短期間での急ピッチな上昇に過熱感を指摘する声や、海外勢の一部からは「上昇が続き割高感が出てきた」との慎重な見方も出ています。

トランプ氏、インテルとアップルの米国内チップ提携を表明 — インテル株が一時9%超急騰、ただし両社は未確認

トランプ米大統領は18日、自身のSNSで、半導体大手インテルがアップルと提携し米国内でチップを設計・製造することで合意したと表明しました。大統領は「米国内でチップを設計・製造する必要があるためインテルを支援することを決めた」と述べたと伝えられます。これを受けてインテル株は時間外取引で一時9%超急騰し、半導体株全体に買いが波及しました。マイクロン・テクノロジーが約4.8%高、AMDが約3.9%高、ブロードコムが約3%高となり、半導体ETF(SOXX)も4%超上昇しています。アップルにとっては、先端生産能力をTSMCに大きく依存する現状からの調達多様化につながり得る一方、インテルにとっては受託製造(ファウンドリ)事業の追い風となります。ただし、現時点でインテル・アップルの両社は提携の具体的内容を公式には確認しておらず、不確実性が残る点には留意が必要です。アップルのクック最高経営責任者(CEO)が米国生産拡大に伴うiPhoneの値上げに言及したとの報道もあり、コスト面の影響も注目されています。

米株は反発の構え — 前日のFOMC安から立て直しへ、ナスダック先物が1.5%高

18日の米株式市場は、前日のFOMC後の急落から反発する展開で始まりつつあります。寄り付き前の段階で、S&P500先物が0.8%高、ナスダック100先物が1.5%高、ダウ平均先物が195ポイント(0.4%)高となりました。インテルとアップルの提携報道を契機に半導体株が軒並み買われ、エヌビディアも1%超上昇するなど、ハイテク株が相場を押し上げています。前日17日は、FOMCで複数の委員が年内利上げに前向きな姿勢を示したことを嫌気して下落し、ダウ平均が507ポイント(0.98%)安、S&P500が1.21%安、ナスダック総合が1.34%安で取引を終えていました。米長期金利の上昇が金利に敏感なグロース株の重しとなった前日から一転し、この日は個別の好材料が買い戻しを誘う形です。もっとも、年内利上げの可能性という金融政策の不透明感は残っており、当面は金利動向とハイテク株の物色をにらんだ振れの大きい展開が続くとみられます。

ドル円は160円台で介入警戒 — 一時160円79銭と約1年11カ月ぶり安値、4月の介入前水準を割り込む

為替市場で、ドル円は1ドル=160円台での高止まりが続いています。米東部時間17日午後(日本時間18日早朝)には一時160円79銭まで円安・ドル高が進み、政府・日銀が4月30日に円買い介入に動く前の安値を割り込んで、約1年11カ月ぶりの円安水準をつけました。前日のFOMCで年内利上げ観測が浮上したことでドルが主要通貨に対して底堅く推移していることが主因です。政府・日銀は4月末以降に総額約11.7兆円の円買い介入を実施しましたが、中東情勢を背景とした「有事のドル買い」の流れは変わらず、市場では介入がかえって短期勢の円売りを誘発したとの見方も広がっています。日銀が約31年ぶりに政策金利を1.0%へ引き上げた後も、米国との金利差の大きさが意識され、円キャリートレードを支える構図は崩れていません。原油高の長期化や日銀の利上げ遅れが重なれば、夏場に向けて一段の円安が進むリスクも指摘されており、160円台では当局による再介入への警戒が一段と強まっています。

原油はWTIが74ドル台へ続落 — 米イラン和平で供給増を警戒、3カ月ぶり安値圏

原油相場は下落基調が続いています。米国産WTI原油は18日に1バレル74.56ドルと、前日比約2.9%下落しました。北海ブレント原油も79ドルを下回り、3月以来の安値圏で推移しています。米イランの和平覚書を受けてホルムズ海峡が再開に向かい、合意成立後にはイランの原油輸出が本格的に再開されるとの観測が、供給増への警戒として相場の重しとなっています。国際エネルギー機関(IEA)は、2027年までに世界の原油供給が日量800万バレル増加する一方、需要の伸びは同200万バレルにとどまると見込んでおり、需給緩和の見通しが下押し圧力を強めています。原油安はインフレ圧力の後退を通じて経済全般や消費者には恩恵となる半面、エネルギー関連企業や産油国の収益には逆風となります。タンカー各社はホルムズ海峡周辺への船舶の再配置を進めているものの、通航の安全と持続性をなお慎重に見極めており、平時の輸送水準への復帰には時間を要するとの指摘もあります。

金は4,300ドルを挟んで推移 — 4,257ドル前後、前日の下げから小幅戻すも上値は重い

貴金属相場は方向感を探る展開です。金(ゴールド)は18日、1トロイオンス4,257ドル前後と4,300ドルを下回って推移し、前日のタカ派FOMCを受けた下げから小幅に値を戻しました。トランプ米大統領が米イランの暫定合意に署名しホルムズ海峡の再開に道筋をつけたことで、安全資産としての逃避需要が後退しやすくなっていることが上値を抑えています。一方、前日のFOMCで浮上した年内利上げ観測を背景に米長期金利が上昇し、利息を生まない金にとっては実質金利の上昇が引き続き逆風です。金・銀の比価(ゴールド/シルバー・レシオ)は60倍台で推移しており、銀は1オンス68〜69ドル近辺とみられます。中東和平の進展で地政学プレミアムが剥落する局面ながら、原油安によるインフレ緩和や各国中央銀行の継続的な金購入、財政面の不確実性は中長期の下支え要因として残ります。最大のイベントを通過した貴金属相場は、当面、見出しよりも金利・ドルといったファンダメンタルズを軸とした値動きへ移行するとの見方が広がっています。

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