経済ニュースダイジェスト

2026/05/30(土)06:00 JST  |  号ID: 2026-05-30-0600

NYダウが史上初の51,000ドル台で大引け、S&P500は9週連続続伸 — 5月はナスダック+8%でテック主導の月間高

5月29日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は前日比+363.49ドル(+0.72%)の51,032.46ドルと、史上初めて51,000ドル台で取引を終えました。S&P500は+0.22%の7,580.06、ナスダック総合は+0.2%の26,972.62で、3指数そろって過去最高値を更新しています。S&P500は9週連続の続伸となり、メモリアルデー前後で利益確定売りを警戒する声もあった中、ハイテクとヘルスケアが市場全体を押し上げる展開でした。月間騰落率はナスダック+8%、S&P500+5%、ダウ+3%と、年初来の不安定な相場から一転して5月はテック主導のリスクオン月となりました。背景にはデル決算を受けたAIインフラ買い、米PCE+3.8%の重い物価指標を消化しきった忍耐感、そして米イラン停戦延長覚書(MOU)による地政学プレミアム剥落が重なっています。

デル株が引けで+32%、史上最大の上昇率で年初来+234% — AIサーバー受注残513億ドルとFY27ガイダンス上方修正を好感

デル・テクノロジーズの株価は29日のNY市場で前日比+32%前後で大引けし、上場来最大の1日上昇率を記録しました。年初来パフォーマンスは+234%まで拡大し、S&P500構成銘柄でも屈指の高い水準です。前日引け後に発表したFY27第1四半期決算では売上高438億ドル(前年比+88%)、調整後EPS 4.86ドル(市場予想2.94ドル)、AIサーバー売上が161億ドル(+757%)、受注残513億ドル超とすべての主要指標で大きく予想を上回りました。会社側はFY27売上ガイダンスを1,670億ドル、うちAIサーバー600億ドルへ引き上げ、ペンタゴンから最大100億ドル規模のAIサーバー受注観測も伝わっています。アナリストはストリート全体で目標株価を一斉に引き上げ、AIインフラ周辺のHPE・SMCI・シスコ・アリスタも連動高となりました。一方で「期待値が満載になった後の調整局面では下落も急になる」との警戒も同時に強まっています。

日本4月鉱工業生産+0.8%MoMで予想を大幅に上回る、小売販売も+2.1%YoY — 半導体製造装置とAI関連が押し上げ

経済産業省が30日朝発表した4月の鉱工業生産指数は前月比+0.8%と、市場予想中央値の-0.4%を大幅に上回り、1月以来初のプラスに転じました。寄与度では汎用・業務用機械(+5.3%)、電気・情報通信機械(+3.5%)、その他製造業(+1.6%)が中心で、特に半導体製造装置とAI関連投資が国内製造業の押し上げ要因となっています。一方、4月の商業動態統計では小売業販売額が前年同月比+2.1%と、こちらも予想+1.3%を上回り、2025年4月以来1年ぶりの伸びを記録しました。自動車(+15.4%)、機械器具(+5.5%)、その他(+4.3%)、百貨店(+3.3%)が伸び、政府の景気刺激策と現金給付を見据えた消費意欲の改善が反映された格好です。BOJの利上げシナリオに対しては前日のTokyo CPIコア+1.3%が「ハト派要因」となった一方、本日の生産・消費データは「タカ派要因」として相殺する内容で、6月利上げ判断は引き続き接戦となります。

コストコQ3 FY26、売上高69.2億ドル(+11.6%)とEPS 4.93ドルで予想超え — 米国消費の底堅さを示唆

コストコ・ホールセール(COST)が現地時間28日引け後に発表したFY26第3四半期決算は、純売上高が69.2億ドル(前年比+11.6%)、会員費を含む総売上高が70.5億ドル(同+11.5%)、純利益21.9億ドル、希薄化後EPS 4.93ドル(予想4.92ドル)と、両指標で市場予想を上回りました。既存店売上は+9.8%(ガソリン・為替調整後+6.6%)、デジタル既存店は+21.5%と引き続き伸び、米国/カナダの会員更新率は92.2%、世界全体でも89.7%と高水準を維持しています。エグゼクティブ会員は4,120万人(+9.6%)へ拡大し、サブスク型ビジネスとしての強さを再確認させました。米PCE+3.8%という重い物価指標下でも、可処分所得の高い顧客層への小売シフトが続いていることを示す内容で、ウォルマートやTarget等との「K字消費」コントラストもいっそう鮮明になっています。

米10年債利回り4.45%へ2週ぶり低水準、Brent原油は91.37ドルで月間▲17%(2020年5月以来) — 停戦進展でリスク資産シフト鮮明

5月29日の米債券市場で10年国債利回りは4.453%へ低下し、過去2週間で最も低い水準で週末を迎えました。前日のQ1 GDP第2推計が+1.6%へ下方修正されスタグフレーション懸念がいったん和らいだことに加え、月末・週末特有の機関投資家のリバランス買いが入った格好です。原油市場ではBrent北海原油が91.37ドル(▲1.43%)で取引を終え、5月単月の下落率は▲17%と、2020年5月のコロナショック直後以来5年ぶりの大幅な月間下落率となりました。WTIも87.20ドル(▲約2%)で、約6週間ぶりの安値水準。米イラン60日停戦延長MOUと「ホルムズ海峡再開・通行料なし」の枠組みが地政学プレミアム剥落を促した一方、年内は90〜100ドルのレンジが続くとの見方も依然強いままです。安全資産では金が4,520ドル前後で年初来高値5,595ドルから▲19%、暗号資産BTCは73,400ドル台で軟化、対照的にAI関連株への資金シフトが目立つ週末となりました。

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