経済ニュースダイジェスト

2026/06/22(月)12:00 JST  |  号ID: 2026-06-22-1202

月曜昼の号をお届けします。米国市場はこの後、日本時間の今夜22時半に約4日ぶりの取引を再開します(19日のジューンティーンス休場明け)。アジア時間の焦点は、AIメモリー需給の逼迫を巡る話題です。米アップルのクック最高経営責任者(CEO)がメモリー高に伴う製品値上げを「避けられない」と認めたことが伝わり、週末にかけてマイクロン・テクノロジー株が最高値を更新しました。週明けの東京市場では日経平均が史上最高値圏でもみ合い、円は約40年ぶり安値圏にとどまっています。一方、前週末の欧州では英FTSE100が原油安を受けたエネルギー株安で続伸の流れから取り残されました。市場を貫く基調はウォーシュ新FRB(連邦準備理事会)議長のタカ派化に伴うドル高・米金利上昇で、変わりありません。本号は週末の企業ニュースとアジア時間の動きを中心に5本でお伝えします。

AIメモリー逼迫が消費財に波及 — アップルが値上げ「不可避」、マイクロン株は最高値更新

人工知能(AI)向けの旺盛な需要でメモリー半導体の供給逼迫が深刻化し、その影響が一般消費財にまで及び始めました。米アップルのティム・クックCEOは米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材に対し、メモリー価格の上昇を背景とした製品値上げは「避けられない」状況にあると述べ、コスト増を自社で吸収し続けるのは「持続不可能」との認識を示しました。AI向けデータセンターが供給を吸い上げ、消費者向け機器に回る分が細っているためです。調査会社トレンドフォースによると、2026年第2四半期の半導体メモリー契約価格は、DRAMが前期比で約58〜63%、NAND型フラッシュが約70〜75%も上昇したと推計されています。安定した大口需要家であるアップルが値上げに動くこと自体が需給逼迫の裏付けと受け止められ、メモリー大手マイクロン株は前週末にかけて約8.7%上昇し1,100ドル超の最高値を更新、今年35回目の最高値引けとなりました。時価総額は約1.3兆ドルに達し、株価は過去1年で8倍超に膨らんでいます。同業のサンディスクも約11.5%高と最高値を付けました。マイクロンは24日(水)の取引終了後に四半期決算を控えており、AI半導体需要の強さを測る試金石として注目されます。

東京市場、日経平均は最高値圏でもみ合い — 円は161円台、米市場再開を前に様子見

週明け22日(月)の東京株式市場で、日経平均株価は7万1,000円台後半と史上最高値圏でのもみ合いとなっています。19日には終値7万1,250円、取引時間中には一時7万1,900円台と過去最高値を更新しており、AI・半導体関連株の物色と海外勢の買いが相場を支える構図が続いています。もっとも、今夜に控える米国市場の約4日ぶりの再開を前に、積極的に上値を追う動きは限られ、利益確定売りも出やすい地合いです。外国為替市場では円が1ドル=161円前後と約40年ぶりの安値圏にとどまっています。日米の金利差を背景とした円安圧力は根強く、当局による介入警戒が続く一方、ウォーシュFRBのタカ派姿勢を映したドル高がなお重しとなっています。輸出採算の改善期待は株価の追い風となる半面、物価高を通じた家計の負担増という側面もあり、円安は引き続き両面で市場に作用しています。

欧州株はまだら模様 — 英FTSE100が原油安で出遅れ、独・仏・伊は堅調

前週末の欧州株式市場は、地域によって明暗が分かれました。ドイツのDAXが週間で約1.6%高、フランスのCAC40が約1.4%高、イタリアのFTSE MIBが約2.3%高と続伸した一方、英国のFTSE100は週間で約0.7〜0.9%下落し、上昇の流れから取り残されました。FTSE100の出遅れは、原油価格の下落を受けてBPやシェルといった指数寄与度の高いエネルギー大手株が売られたことが主因です。アジアの主要指数が軒並み1%超上昇したのとは対照的で、欧州内でも資源・エネルギー比率の高い英国市場の相対的な弱さが浮き彫りとなりました。週末の取引では、米副大統領がスイスでのイラン協議出席を一時見送ったことで中東情勢の不透明感が再燃し、原油が反発する場面もありました。ファンダメンタルズに加え、タカ派的なFRBへの警戒も上値を抑える要因となっており、欧州株は当面、原油動向と中東和平の行方に神経質な展開が続きそうです。

「トイ・ストーリー5」が今年最大の興収スタート — 北米1.6億ドル、消費の底堅さ映す

産業トレンドとして、米ディズニー傘下ピクサーのアニメ続編「トイ・ストーリー5」が、週末の北米興行収入で約1億6,000万ドルを稼ぎ、2026年の年間最大のオープニングを記録しました。これは「トイ・ストーリー」シリーズ歴代最大の初週成績で、2019年公開の前作「4」が記録した約1億2,000万ドルを上回りました。海外でも約1億5,200万ドルを集め、世界興収は約3億1,200万ドルに達しています。映画評価サイトでの批評家支持率は94%、観客評価も最高ランクと、作品評価も良好です。インフレ下でも家族向けの大型娯楽作品に消費者が支出を惜しまない傾向がうかがえ、堅調な劇場入場は個人消費の底堅さを示す一つの目安とも読めます。一方で、興行収入が特定の大型作品に集中する傾向は続いており、コンテンツ事業を抱えるメディア・娯楽関連企業の業績は、こうした話題作の有無に左右されやすい構造的な課題も併せ持っています。

原油、供給正常化観測で軟調 — ブレント80ドル台、週間で約8.5%安

原油相場は、ホルムズ海峡を巡る供給混乱の収束観測を背景に軟調に推移しています。前週末時点で国際指標の北海ブレント原油は1バレル=約80.6ドル、米WTI原油は約77.5ドルで、週間ではともに約8.5%の下落となりました。一時120ドルを超えた高値からは大きく水準を切り下げています。クウェートによる不可抗力宣言の解除や米海軍による封鎖の終了を受け、海峡経由のタンカー通航は回復に向かい、市場では「最悪期は過ぎた」との見方が広がっています。ただ、不透明感が完全に消えたわけではありません。週末には米副大統領のイラン協議出席が一時見送られ、地政学リスクの再燃から原油が買い戻される場面もありました。イラン側はレバノン停戦の安定を海峡正常化の条件として改めて示唆しており、和平合意の履行が滞れば供給懸念が再び頭をもたげかねません。原油安はエネルギー株の重荷となる半面、世界的なインフレ圧力をやわらげる方向に働きます。

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