経済ニュースダイジェスト

2026/06/09(火)22:00 JST  |  号ID: 2026-06-09-2200

こんばんは。前週末からの半導体ショックで急落していたアジア株は、9日に全面高で切り返しました。東京の日経平均は4営業日ぶりに反発して2%超上昇、韓国KOSPIは8%超の急騰で前日の暴落をほぼ取り戻しています。中東情勢の沈静化とエヌビディアCEOの強気発言が買い戻しを後押ししました。欧州市場は11日のECB理事会をにらんで小動き、原油は一段安、金・ビットコインは米金利高とドル高で上値の重い展開です。市場の次の焦点は、日本時間10日夜に発表される米5月CPIに移ります。本号はアジア株の急反発を中心に5本立てでお届けします。

日経平均は4日ぶり反発、終値2.17%高の6万5,416円 — 半導体株に買い戻し

9日の東京株式市場で、日経平均株価は4営業日ぶりに反発しました。終値は前日比1,392円03銭高(2.17%高)の6万5,416円63銭です。前日8日に終値で2,563円安と急落した反動に加え、前日の米国市場でハイテク・半導体株が買い戻された流れを引き継ぎ、東京エレクトロンやアドバンテスト、ソフトバンクグループといった値がさの半導体・AI関連株に資金が戻りました。中東情勢がいったん落ち着き、過度なリスク回避が和らいだことも支えとなっています。もっとも前週末からの下げ幅をすべて埋めたわけではなく、相場は強い米雇用統計後の金利上昇とインフレ動向をなお警戒しています。次の手掛かりは10日夜の米消費者物価指数(CPI)で、ここで上振れが確認されれば、戻りの勢いが続くかどうかが改めて試されそうです。

韓国KOSPIは8%超の急騰 — 前日の暴落をほぼ回復、SKハイニックスは16%高

アジアの半導体株は東京以上に値動きが荒くなりました。韓国の総合株価指数(KOSPI)は9日、終値で約8.3%高と急騰し、前日8日に8%超下落しサーキットブレーカー(売買一時中断)が発動した暴落分をほぼ取り戻しました。主力のサムスン電子が約9%高、SKハイニックスは約16%高と大幅に反発し、指数を押し上げています。買い戻しの背景には、イスラエルとイランの戦闘停止によるリスク選好の回復に加え、エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)CEOがAIの長期的な需要に揺るぎはなく、足元の急落はむしろ買いの好機だとの認識を示したと伝わったことがあります。前日の急落はAI半導体の需要を巡る過度な懸念と米利上げ観測が重なったもので、行き過ぎた売りの巻き戻しが急速に進んだ格好です。ただし1日で8%動く不安定さ自体が、相場の神経質さを物語っています。

欧州株は小動き、焦点は11日のECB理事会 — 0.25%利上げを9割超織り込み

欧州市場では、汎欧州のストックス600指数が前日比0.46%高の624.07近辺と小幅な上昇にとどまりました。投資家は11日に結果が公表される欧州中央銀行(ECB)理事会を前に様子見の姿勢を強めています。市場は中銀預金金利を現行の2.00%から2.25%へ引き上げる0.25%の利上げをすでに9割以上織り込んでいます。エネルギー価格の高止まりを背景にユーロ圏のインフレが再加速しており、利上げに動く方向が固まりつつあります。注目はラガルド総裁の記者会見と、中東情勢の緊迫を織り込んだ後で初めて示されるスタッフ経済見通しです。年内のさらなる利上げ回数を巡る示唆が、ユーロや欧州の金利動向を左右します。利上げに向かうECBと、据え置きが見込まれる米連邦準備制度理事会(FRB)・日銀の追加利上げ観測が交錯し、為替の方向感を複雑にしています。

原油は一段安、ブレント93ドル割れ — イランの戦闘停止と中国の輸入急減が重し

原油相場は下げ基調を強めています。北海ブレント原油は1バレル93ドルを割り込み、米国産WTIは89ドル近辺まで軟化しました。8日に一時98ドルを超えたあと、イランが対イスラエルの軍事作戦終了を表明し、トランプ米大統領が新たな停戦が近いとの見方を示したことで、供給途絶への警戒がいったん後退しました。加えて、世界最大の輸入国である中国の原油輸入が約8年ぶりの低水準まで落ち込んだことが需要面の重しとなり、価格上昇を抑えています。供給側では、OPECプラスが7月も日量18.8万バレルの増産方針を維持しました。一方でイスラエルのネタニヤフ首相は、イランが再び攻撃すれば報復すると警告しており、停戦は依然として不安定です。中東リスクの再燃と中国の在庫戦略が、当面の値動きを左右しそうです。

金・ビットコインは上値重く — 米金利高とドル高が逆風、ETFは記録的な資金流出

安全資産とされる金は、地政学リスクがくすぶる中でも上値が重く、1トロイオンス4,350ドル前後と3月下旬以来の安値圏で推移しています。強い米雇用統計を受けた米長期金利の上昇とドル高が、利息を生まない金には逆風となっています。リスク回避の資金が金ではなく米ドルへ向かう「有事のドル買い」が続いている構図です。一方、暗号資産のビットコインは6万2,000ドルを下回り、6万ドルの節目をうかがう軟調な展開です。月間では約14%下落しました。現物ビットコインETF(上場投資信託)からは13営業日連続で資金が流出し、流出額は約43億ドルと2024年の上場以来で最大規模に達しています。米金利の上昇と利下げ観測の後退、急ピッチで上昇した後の利益確定売りが重なり、リスク資産全般から資金が引き揚げられやすい地合いが続いています。

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