経済ニュースダイジェスト

2026/05/29(金)06:00 JST  |  号ID: 2026-05-29-0600

デル・テクノロジーズQ1決算が記録的内容、AIサーバー売上+757% — FY27売上高見通しを1,670億ドルへ大幅引き上げ

デル・テクノロジーズが米国時間28日引け後に発表したFY27第1四半期決算は市場の事前期待を大きく上回る記録的な内容となりました。売上高は前年同期比+88%の438億ドルで四半期ベースの過去最高を更新し、GAAPベース希薄化後EPSは5.24ドル(同+282%)、非GAAPベースで4.86ドル(同+214%)と利益面でも記録を塗り替えました。AI関連の手応えがとりわけ顕著で、AI最適化サーバー売上が161億ドル(同+757%)、新規AI受注は四半期で244億ドルに達し、受注残はさらに膨らんでいます。これを受け同社はFY27通期見通しを上方修正し、売上高を1,670億ドル(中央値、前年比約+50%)、AIサーバー売上を従来の500億ドルから600億ドル(同+103%)へ引き上げました。マイクロン・SK Hynix・スノーフレークに続くAIサプライチェーン決算の総仕上げとして、AI投資サイクルの腰の強さを再確認させる結果で、ナスダック先物は時間外で上昇しました。

米PCE物価指数4月は前年比+3.8%で約3年ぶり高水準 — コアも+3.3%、ホルムズ発エネルギーショックがコア指標まで波及

米商務省が28日に公表した4月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比+3.8%と、2023年5月以来となる約3年ぶりの高水準を記録しました。エネルギーと食品を除くコア指標も+3.3%と2023年10月以来の高さで、ホルムズ海峡危機を発端とする原油高がガソリン・電気・運輸コスト経由でコアサービス価格にも浸透してきた構図です。前月比は+0.4%と市場予想の+0.5%をやや下回り、物価上昇の勢いは「加速」というより「高止まり」の段階に入りつつありますが、FRBの目標2%を大きく上回る水準が続くため、年内の利下げは事実上封印された格好です。フェデラル・ファンド金利先物が織り込む6月利下げ確率はほぼゼロ、年内の利下げ確率も10%未満で、政策金利は据え置きが続く見通しです。米10年債利回りは4.41%付近とおよそ1カ月ぶりの高水準で推移しています。

米Q1実質GDP改定値は+1.6%に下方修正、速報値+2.0%から鈍化 — スタグフレーション論が再燃

米商務省は28日、2026年第1四半期の実質GDP第2推計を発表し、前期比年率+1.6%と4月末の速報値+2.0%から0.4ポイント下方修正されました。修正の主因は民間在庫投資(製造業・小売業中心)と個人消費の下振れで、いずれも今後の四半期需要をやや弱含みに見せる内容です。一方で同時公表の4月PCE物価指数は+3.8%と高止まりしており、「成長は下方修正・物価は再加速」というスタグフレーション色の濃いデータの組み合わせとなりました。前四半期(25年Q4)の+0.5%からは加速しているものの、トレンド成長率2%前後を割り込む流れが続けば、夏場以降の企業収益見通しに下方圧力がかかる可能性があります。FRB内部では8対4で5月会合の据え置きを決定したと伝わっており、政策当局は原油高インフレが鎮静化するまで「長期一時停止」を続ける構えです。

米国株は逆風データを無視し最高値更新、S&P500が7,563ドル・ナスダックは26,917ポイント — Snowflake好決算がAI買いを再燃

28日の米国株式市場は、PCEのインフレ高止まりとGDPの下方修正という二重の逆風データにも関わらず、ハイテク主導で上昇しました。S&P500指数は前日比+0.58%の7,563.63、ナスダック総合指数は+0.91%の26,917.47でいずれも史上最高値を更新し、ダウ工業株30種平均は+0.05%の50,668.97とほぼ横ばいで取引を終えています。前夜にスノーフレークがQ1売上+33%(製品売上+34%)とAWSとの5年60億ドル契約を発表し、時間外で約37%急騰したことがAIプラットフォーム企業への買いを再燃させました。寄与上位はマイクロン・エヌビディア・パランティアで、半導体株指数(SOX)も史上最高値圏で続伸しています。ただしVIX指数は12台前半に低下し、Bullishセンチメントの過熱を示しており、ECBが27日に警告した「急激な再評価リスク」を意識する声も投資家の間で増えてきました。

米週間新規失業保険申請が21万5,000件で予想を上回るも歴史的低水準維持 — AI関連レイオフ以外は労働市場が底堅い

米労働省が28日に公表した5月23日終了週の新規失業保険申請件数は前週比+5,000件の21万5,000件で、市場予想21万1,000件をやや上回りました。4週間移動平均も20万9,000件と6,300件増加しましたが、年初来の19万〜23万件レンジの中央に位置しており、依然として歴史的に低い水準を維持しています。AI関連リストラを進める一部大手ハイテクを除けば、企業の解雇姿勢は控えめで、スタグフレーション局面でも雇用の崩壊は確認されていません。FRBにとっては「雇用は強い、ただしインフレが粘着的」という構図が続いており、6月会合での金利据え置きを正当化する材料となります。市場では、来週6月6日に発表される5月雇用統計(非農業部門雇用者数のコンセンサスは前月比+12万人前後、失業率4.2%)が今後の金融政策パスを占う最大の関門と見られています。

本日朝の東京都区部5月CPIと4月の為替介入実績公表へ — ¥10兆円規模介入の真偽と日銀正常化の焦点

5月29日(金)午前8時30分には総務省統計局から東京都区部5月分の消費者物価指数(CPI)速報が、同じく8時50分には財務省から4月の外国為替平衡操作実績が公表されます。Tokyo Core CPIは4月分が前年比+1.4%と日銀目標2%を3カ月連続で下回っており、5月分でこの減速トレンドが続くかが追加利上げ判断の試金石となります。一方の介入実績は、4月30日からゴールデンウィーク明け5月6日にかけて推定約10兆円(約630億ドル)規模のドル売り円買いが行われたと観測されており、実額の確認は今後の介入再開リスクを織り込む上で極めて重要です。前日のドル円は159.5円台で膠着し、159〜160円の介入警戒帯に貼り付いた格好です。両データの組み合わせ次第で、CPI弱含み&介入規模大であれば円買い・債券買いに振れ、CPI上振れ&介入規模小であれば円安再加速・国債利回り上昇という反対方向の動きとなる可能性があります。

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