経済ニュースダイジェスト

2026/06/20(土)06:00 JST  |  号ID: 2026-06-20-0602

土曜朝の号をお届けします。前日19日は米国がジューンティーンスの祝日で株式・債券市場とも休場だったため、新規の海外市場材料は限られます。一方、国内では総務省が5月の全国消費者物価指数を公表し、コアCPIが前年比1.4%と4カ月連続で1%台にとどまりました。地政学では、注目された米イランの対面協議がスイスで延期され、核問題を巡る交渉が実際にはまだ始まっていないことが明らかになりました。為替ではドル円が一時161円80銭台へ下落し約39年半ぶりの安値圏に接近、当局の介入警戒が一段と高まっています。本号は新規性の高い、(1)5月の全国コアCPIが1.4%、(2)米イランの対面協議が延期、(3)円が約39年半ぶり安値圏、(4)原油は週間で約1割安、の4本に絞ってお伝えします。

5月の全国コアCPIは前年比1.4% — 4カ月連続で1%台、夏以降の再加速観測も

総務省が19日に公表した5月の全国消費者物価指数(2020年=100)によると、生鮮食品を除く総合(コアCPI)は前年同月比1.4%の上昇となり、4月(同1.4%)と同じ伸びで4カ月連続の1%台にとどまりました。総合指数も前年比1.4%の上昇、前月比(季節調整値)では0.1%の上昇です。物価の基調は日銀が目標とする2%を下回って推移しており、足元では落ち着いた動きが続いています。日銀は6月16日に政策金利を1.0%へ引き上げたばかりですが、現状の物価指標だけを見れば追加利上げを急ぐ強い理由は乏しいとも読めます。一方、民間調査機関の一部は、エネルギーや食料品の影響などから夏場以降に物価上昇率が2%台へ高まる可能性を指摘しており、今後の指標次第で金融政策を巡る思惑が再び動きやすい点には注意が必要です。物価の落ち着きと円安進行が併存する現状は、輸入物価を通じた将来の物価押し上げ圧力という観点からも目が離せません。

米イランの対面協議が延期 — 核問題の交渉はまだ始まらず、署名式典も見送り

米国とイランの和平を巡り、19日にスイスで予定されていた両国の対面協議が延期されたことが明らかになりました。スイス外務省は同日、核問題などを巡る最初の交渉のための対面会合が見送られたと発表しています。両国は戦闘終結に向けた暫定合意の覚書(MOU)に電子的に署名済みで、停戦やホルムズ海峡の封鎖解除といった当面の措置は進んでいるものの、肝心の核開発を巡る本格交渉には依然として着手できていません。イラン側は「最終交渉は、相手方が覚書上の約束を履行した後まで延期する」との声明を出しており、制裁解除や凍結資産の扱いなど実行面での進展を見極める姿勢を強めています。ジュネーブでの正式な署名式典についても、両国がすでに電子署名を済ませていることなどから実施は見送られました。停戦と海峡正常化の流れ自体は維持されていますが、和平の核心部分を巡る交渉は当初想定よりも慎重に進む可能性があり、中東情勢の不透明感は完全には払拭されていません。

円が約39年半ぶり安値圏 — ドル円一時161円80銭台、過去最大の介入後も上値重く

為替市場では円安が一段と進み、ドル円は19日に一時1ドル=161円80銭台まで下落して、約39年半ぶりの安値圏に接近しました。ロンドン市場でも161円30銭前後で推移し、160円台の節目を明確に上抜けたことで通貨当局への警戒が高まっています。片山さつき財務相は19日、為替市場の「過度な投機的な動き」をけん制し、必要なら断固たる対応を取る用意があるとの趣旨で改めて口先介入に踏み込みました。もっとも足元の円安は投機だけでなく、日米の金利差や資本フローといったファンダメンタルズに支えられている面が大きく、タカ派姿勢を強めたFOMCを受けて市場が年内の米利上げを織り込んでいることが、日銀が6月16日に政策金利を1.0%へ引き上げた後も円の上値を重くしています。報道によれば、日本の通貨当局は4月下旬から5月下旬にかけて総額11.73兆円(約730億ドル)規模とされる過去最大の円買い介入を実施しましたが、その後ドル円は介入前の水準を回復しており、市場では介入効果の持続性に懐疑的な見方も少なくありません。

原油は週間で約8.5%安 — ブレントは80ドル前後、ホルムズ海運の正常化が重し

原油相場は3カ月ぶりの安値圏での推移が続いています。北海ブレント原油は19日に1バレル80ドル前後で底堅さを探る展開となり、週間ベースでは約8.5%の下落となる見通しです。米イランの和平が実行段階に入り、トランプ大統領による海上封鎖の解除でホルムズ海峡の海運環境が改善に向かっていることが、供給増への警戒を通じて相場の重しとなっています。前日19日朝の段階では、前日に急増したタンカーの動きがいったん鈍り、ペルシャ湾から出航する船舶が確認されない時間帯もあるなど、流れはなお不安定です。市場ではイラン産原油の輸出が本格的に再開するとの見方が広がる一方、対面協議の延期で和平の持続性を巡る不透明感も意識され、供給回復の確度を見極める動きが続いています。原油安はインフレ圧力の後退を通じて消費国や企業のコストには恩恵となる半面、産油国やエネルギー関連企業の収益には逆風です。機雷除去や保険・運航体制の本格的な復帰には時間がかかるとの指摘も根強く、当面は供給正常化のペースが焦点となります。

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