夜の号をお届けします。本日の主役は、史上最大規模となるスペースXの新規株式公開(IPO)です。1株135ドル・時価総額約1.78兆ドルで値決めされ、米東部時間の取引開始を世界が注視しています。中東では、米・イランの和平合意が早ければ日曜にも欧州で署名されるとの観測が一段と強まりました。報道される草案には、米国による対イラン石油制裁の解除と、イランによる30日以内のホルムズ海峡再開放が盛り込まれています。これを受けて原油は一段安となり、北海ブレントは約2カ月ぶりの安値圏へ下落しました。東京市場では和平期待と長期金利低下を支えに日経平均が大幅続伸し、節目の6万6,000円台を回復。為替はドル円が160円台へ円安が進みました。一方で金は前日からの上昇分を概ね維持しています。本号は(1)スペースXのIPO、(2)米イラン和平の署名間近、(3)日経平均と円相場、(4)原油、(5)金の5本立てです。
スペースXが史上最大のIPO、1株135ドル・時価総額1.78兆ドルでナスダック上場 — 約750億ドル調達
宇宙開発大手スペースXが12日、ナスダック市場に「SPCX」のティッカーで上場します。公開価格は1株135ドルに固定され、クラスA株5億5,556万株を売り出すことで、調達額は約750億ドルに達する見通しです。これにより時価総額は約1.78兆ドルと評価され、米国市場でこれまで最大だったアリババ(2014年)の3倍超に相当する、史上最大のIPOとなります。需要は供給株数の約3.3倍に膨らむ強い引き合いとなり、初値の大幅な上昇期待も一部で語られています。資金は次世代ロケットや衛星通信網の拡張に充当されるとみられ、宇宙ビジネスの商業化が新たな段階に入ったことを象徴する案件です。もっとも、固定価格方式での大型上場であるだけに、上場直後の値動きと、個人投資家への配分動向、そして本日の米国株全体の地合いに市場の関心が集まっています。米株先物は和平期待とこのIPOを前にほぼ横ばいで推移していました。
出典: CNBC / Fast Company
米イラン和平、署名は早ければ日曜 — 草案に「対イラン石油制裁の解除」と「30日以内のホルムズ再開放」
中東和平を巡る進展が加速しています。報道によれば、米国とイランは早ければ15日(日曜)にも欧州で和平合意に署名する可能性があります。イラン国営メディアが伝えた草案には、米国が対イランの石油制裁を解除することと、イランが30日以内にホルムズ海峡を再開放することが柱として盛り込まれているとされます。あわせて、3カ月に及んだ戦闘の停戦を60日間延長し、核開発を巡る包括協議の枠組みを整える内容です。テヘランは合意を承認する公算が大きいと伝えられ、緊張緩和への期待が市場のリスク選好を支えています。ただし、署名が完了するまで海上封鎖は維持される見通しで、機雷除去や通航の実務的な再開には時間を要するとの慎重な見方も残ります。世界のエネルギー供給の約2割が通る海峡の正常化が現実のものとなるか、週末の動向が最大の焦点です。
出典: TheStreet / The Hill
日経平均が大幅続伸、終値6万6,020円で+2.81% — 和平期待と金利低下が追い風、円は160円台へ
12日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比1,802円77銭高(+2.81%)の6万6,020円04銭と大幅に続伸し、節目の6万6,000円台を回復しました。前場は一時2,200円超高まで買われる場面もありました。米・イランの和平合意が間近に迫っているとの観測がリスク回避姿勢を和らげ、長期金利の低下も株価の追い風となりました。値がさのハイテク・半導体株に買いが入り、指数を押し上げました。為替市場では、前日のニューヨーク時間にトランプ米大統領が対イラン攻撃の中止と和平を表明したことで一時159円台前半まで円高に振れたものの、その後はドル売りが一巡し、東京時間には1ドル=160円台前半まで円安・ドル高が進みました。政府・日銀による累計約11.7兆円の為替介入を経てなお円安圧力は根強く、来週16〜17日の日銀金融政策決定会合での利上げの有無が、当面の円相場を左右する焦点となります。
出典: 日本経済新聞 / みんかぶFX
原油は一段安、ブレントが約2カ月ぶり安値の87ドル台へ — 週末の和平署名観測で供給途絶懸念が後退
原油相場は続落しました。北海ブレント原油は12日、1バレル=87.43ドルと前日比約3.3%下落し、およそ2カ月ぶりの安値水準を付けました。トランプ米大統領が「合意は今週末にも欧州で署名され得る」と述べたことで、米・イランの和平が現実味を増し、ホルムズ海峡の通航再開による供給回復への期待が一段と強まったためです。中東の地政学リスクに伴う供給途絶プレミアムが急速に剥落しており、価格は2026年の高値から2割を超える調整局面にあります。加えて、中国の原油輸入の鈍化が需給の緩みを意識させ、下値を探る動きを後押ししました。一方で、署名が完了するまでは海上封鎖が続くため、実際の輸送再開までは時間がかかるとの指摘もあり、和平交渉の進捗に相場が振らされやすい不安定な地合いが続いています。
出典: Trading Economics / CNBC
金は4,200ドル台へ反発、前日の上昇分を維持 — 和平・インフレ・利上げ観測を消化
金相場は反発しました。1トロイオンス=4,210ドル前後と、前日からの上昇分を概ね維持しています。米・イランの和平合意が間近との観測がリスク選好を促す一方で、根強い米インフレや追加利上げ観測への警戒が安全資産としての需要をつなぎとめ、相場は方向感を探る展開となりました。米長期金利が4.5%台で高止まりし、ドルが底堅く推移していることは、利息を生まない金にとって重荷ですが、世界の中央銀行による継続的な金購入が下支え要因として意識されています。ワールド・ゴールド・カウンシルによれば、2026年1〜3月期の世界の金需要は店頭取引を含め1,231トンと、同期間として過去最高を記録しました。年初に付けた最高値圏からの調整が一巡しつつあるとの見方もあり、来週のFOMCや日銀会合を前に、当面はインフレと金利を睨んだ神経質な値動きが続きそうです。
出典: Trading Economics / GoldSilver