経済ニュースダイジェスト

2026/06/04(木)12:00 JST  |  号ID: 2026-06-04-1200

こんにちは。本号は、4日午前のアジア市場の動きを中心にお伝えします。昨晩の米株反落と中東情勢の再緊迫を引き継ぎ、東京市場は史上最高値圏から反落しました。とりわけ前日に好決算を発表したブロードコムが、時間外取引で当初の上昇から一転して急落し、AI関連の見通しに対する市場の高い期待値の高さが意識される展開となっています。本号では、(1)東京市場の反落、(2)ブロードコム株の反転安とハイテク全面安、(3)ドル円と介入効果の論点、(4)原油の続伸と米在庫6週連続減、(5)金相場の頭打ち、の5本を取り上げます。

東京市場、最高値から反落 — 日経平均は午前に一時1,000円超安、4日ぶり下落、半導体・ソフトバンクGが主導

4日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前日までの連騰に歯止めがかかりました。前日に史上初の68,000円台(終値68,402円)へ乗せた直後だけに、利益確定売りが出やすい地合いで、寄り付き直後には下げ幅が一時1,000円を超え、67,300円前後まで下押しする場面がありました。昨晩のニューヨーク市場でダウ工業株30種平均が約1.2%下落したことや、中東情勢の再緊迫がリスク回避姿勢を強めた格好です。値がさのハイテク・半導体関連の下げが目立ち、ソフトバンクグループが一時8%近く下落したほか、アドバンテストやフジクラ、村田製作所、古河電気工業など、これまで相場を牽引してきた銘柄に持ち高調整の売りが広がりました。最高値圏での過熱感が意識されるなか、海外の地政学リスクと国内金融政策の両にらみで、神経質な値動きが続いています。

ブロードコムが時間外で一転急落、一時▲14% — 「好決算でも高すぎる期待」、半導体株に売り波及し米先物も軟調

前日の取引終了後に発表されたブロードコムの決算は、売上高222億ドル(前年比48%増)、AI半導体売上高108億ドル(同143%増)と好調で、発表直後の時間外取引では一時約4.7%上昇していました。しかしその後、市場の反応は一転して売り優勢となり、株価は時間外・時間外延長取引で一時約14%下落しました。会社側が示したAI関連の先行き見通しが、すでに株価に織り込まれていた市場の高い期待には届かなかったとの受け止めが背景です。「好決算でも材料出尽くし」となった形で、AIブームを支えてきた半導体セクター全体に売りが波及しました。インテル(約▲2%)、AMD(約▲2.9%)、クアルコム(約▲1.9%)、アーム・ホールディングス(約▲4.3%)なども軒並み軟調で、米株価指数先物も4日の取引で下落して推移しています。高水準のバリュエーションが調整局面で重荷となりやすいことを改めて示しました。

ドル円は159円台で小康、介入効果に賛否 — 「目的は相場安定」との指摘、市場は年内162〜163円も視野、6/16-17日銀会合に注目

外国為替市場でドル円は1ドル159円台での推移が続いています。4月下旬から5月にかけて政府・日銀が実施した月間ベースで過去最大となる約11.7兆円の円買い介入のあと、160円台への再下落は一服し、相場はいったん落ち着きを取り戻した格好です。市場関係者の間では、介入の目的はあくまで相場の安定であり、方向転換やその持続を狙うものではないとの指摘が出ています。159円台で相場が安定していれば「介入は所期の目的を一定程度果たした」との評価もある一方、内外金利差を背景とした円安圧力は根強く、2026年内に一時162〜163円程度まで下落する余地があるとの見方も示されています。市場の関心は6月16〜17日の日銀金融政策決定会合に移っており、植田和男総裁が前向きな姿勢を示す追加利上げが実現すれば、円安に歯止めがかかるかが焦点となります。

原油は3日続伸、WTI95ドル超・Brent97ドル接近 — EIA在庫6週連続減で需給引き締まり、7日のOPECプラス会合控え

原油相場は続伸し、米WTI先物が1バレル95ドルを上回り、北海ブレントも97ドルに迫る水準まで上昇しました。3営業日連続の上げで、米イラン交渉の不透明感と中東情勢の再緊迫が地政学リスクプレミアムを押し上げています。需給面でも引き締まりが意識されており、米エネルギー情報局(EIA)が3日に公表した週間在庫統計では、商業用原油在庫が前週比330万バレル減少しました。確認されれば6週連続の取り崩しとなり、在庫水準は約4億4,170万バレルと、この時期の過去5年平均を約2%下回っています。供給不安が下値を支える構図です。7日にはOPECプラスの閣僚会合(第41回)を控えており、原油高局面での増産方針が焦点となります。中東情勢では、クウェートの空港施設が攻撃で損傷し死者が出るなど緊張が続いており、ホルムズ海峡の供給リスクが引き続き市場の警戒材料です。

金相場は4,400ドル台前半で頭打ち — 中東緊迫でも金利高・ドル高が重し、安全資産の綱引き続く

安全資産とされる金は、4日時点で1トロイオンス4,436ドル前後と、上値の重い展開が続いています。中東情勢の緊迫やリスク回避の動きは本来であれば金の買い材料となりますが、原油高を起点としたインフレ懸念から米長期金利が上昇し、ドルも底堅く推移していることが、金利を生まない金の重荷となっています。地政学リスクによる安全資産需要と、金利・ドル高による下押し圧力が綱引きとなり、方向感の乏しい値動きです。年初に5,000ドル台後半を付けた水準からは水準を切り下げており、投資家が金利上昇局面での金の保有妙味を慎重に見極めている様子がうかがえます。原油や米金利の動向に左右されやすい地合いが続きそうです。

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