経済ニュースダイジェスト

2026/06/05(金)22:00 JST  |  号ID: 2026-06-05-2200

こんばんは。本号は、今週最大の山場であった米5月雇用統計の結果を中心にお伝えします。日本時間5日夜に発表された統計は、就業者数が市場予想を大幅に上回る強い内容となり、米連邦準備制度(FRB)の利下げ観測が一段と後退しました。米長期金利は上昇し、半導体株を中心に株価指数先物は軟調に推移しています。東京市場は前日に続いて下落し、ドル円は160円をうかがう円安水準が続いています。本号では、(1)米5月雇用統計、(2)米株先物と半導体株・米金利、(3)東京市場の大引け、(4)ドル円と日銀会合、(5)原油とOPECプラス会合、の5本を取り上げます。

米5月雇用統計が予想を大幅上回る +17.2万人 — 失業率は4.3%で横ばい、利上げ観測強まる

米労働省が5日に発表した5月の雇用統計で、非農業部門就業者数は前月比+17.2万人と、市場予想(ダウ・ジョーンズ集計で約+8万人)を大幅に上回りました。前月(4月)は+17.9万人へ上方修正されており、雇用の拡大基調が続いていることが確認されました。失業率は4.3%で前月から横ばいと、予想通りの結果でした。業種別では、レジャー・接客業が+7.0万人と伸びを主導し、地方政府が+5.5万人、医療が+3.5万人と続きました。一方、金融関連は▲2.2万人と数少ない減少業種となりました。労働参加率は61.8%で横ばい、家計調査ベースの就業者数も+14.9万人増加し、労働市場の底堅さを裏付ける内容でした。予想を大きく上回る強さを受けて、市場では「金利は高いまま長く続く」との見方が一段と強まり、年内の追加利上げの可能性まで意識される展開となっています。6月16〜17日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置きは、引き続きほぼ確実視されています。

米株先物が軟調、半導体株続落・米長期金利は上昇 — 利上げ警戒が重し

強い雇用統計を受け、米株式市場では金利上昇を嫌気した売りが優勢となりました。発表後、S&P500種株価指数の先物は約0.6%安、ナスダック100先物は約1.3%安となり、ダウ平均先物はほぼ横ばいで推移しました。米10年債利回りは、年内利上げ観測の高まりを背景に上昇しています。個別では半導体株の弱さが目立ち、前日に約12.5%急落したブロードコムがさらに約2%安、マーベル・テクノロジーが3%超安、マイクロン・テクノロジーが約4%安となりました。AI関連の高い期待に決算が届かなかったブロードコムの失望売りが、半導体セクター全体に重しとして残っています。週間ベースでは、景気敏感株を含むダウ平均が約1%高となる見通しの一方、ハイテク比率の高いナスダック総合指数は約0.5%安と、明暗が分かれる展開となりました。投資家は金利上昇局面で割高なグロース株を圧縮し、相対的に出遅れた業種へ資金を振り向ける動きを続けています。

東京市場は続落、日経平均は66,588円 — 半導体・ソフトバンクGが重し

5日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、終値は前日比約882円安の66,588円となりました。前日の米ハイテク株安と、引け後に控える米雇用統計への警戒から、買いが手控えられました。値がさの半導体関連株が軟調で、東京エレクトロンやアドバンテスト、村田製作所などに利益確定や戻り待ちの売りが出たほか、指数寄与度の大きいソフトバンクグループも下落し、相場を押し下げました。前日4日も日経平均は931円安と大きく下げており、史上最高値圏(一時68,000円台)からの調整局面が続いています。外国為替市場ではドル円が160円近辺の円安水準で推移し、原油高による貿易赤字拡大への懸念や、日米の金利差が引き続き相場の重しとなりました。投資家は、引け後の米雇用統計の結果と、その後の米金利・為替動向が週明けの日本株に与える影響を見極めようとしています。

ドル円は160円をうかがう円安、介入警戒も — 日銀は6/16-17会合で追加利上げ探る

外国為替市場で、ドル円は1ドル=159円台後半から160円をうかがう円安水準で推移しました。日本時間夜に発表された米雇用統計が予想を上回ったことで、米利下げ観測の後退から日米の金利差拡大が改めて意識され、円には下押し圧力がかかりやすい地合いです。一方、節目の160円付近では戻り売りや上値の重さもみられ、財務省による為替介入への警戒感が円の急落に歯止めをかける構図となっています。日本では、過去最大規模の為替介入後も円安の流れが続いており、市場では年内に162〜163円程度までの円安進行を見込む声もあります。こうしたなか、日本銀行は6月16〜17日の金融政策決定会合で追加利上げ(政策金利0.75%→1.0%)を探るとみられ、市場は8割弱の確率で織り込んでいます。植田総裁が「適切なペースでの利上げ継続」を表明していることもあり、日米双方の金融政策が為替の方向感を左右する展開が続きそうです。

原油はブレント95ドル前後で高止まり — 7日にOPECプラス会合、米イラン交渉は不透明

原油相場は、北海ブレント原油が1バレル95ドル前後、米WTI原油も95ドル近辺で、高止まりしつつも方向感を欠く展開となりました。相場の最大の変動要因は、依然として中東情勢を巡る米国とイランの交渉の行方です。両者は敵対行為を一時停止する60日間の覚書(MOU)に「概ね合意した」と報じられた一方、イラン側は「最近の交渉に進展はない」とするなど、報道は錯綜しており、和平の持続性には不透明感が残ります。市場では、明確な和平合意が得られるまで、原油価格は当面1バレル90〜100ドルのレンジで推移するとの見方が出ています。こうしたなか、7日には石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の会合が控えており、増産の是非が焦点となります。地政学リスクによる供給不安と、世界景気の減速懸念による需要鈍化観測が綱引きする状況が続いており、エネルギー価格の動向は各国のインフレと金融政策にも影響を及ぼしています。

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