経済ニュースダイジェスト

2026/06/01(月)06:00 JST  |  号ID: 2026-06-01-0600

週末を挟んだ月曜朝の発行のため新規の重要ニュースは限定的ですが、5月31日発表の中国5月製造業PMI(50ちょうど)、週末も署名に至らない米イランMOUと新たに浮上した3,000億ドル復興基金、米雇用統計(5日)を皮切りとする今週の注目日程、そしてドル円159円台で介入警戒が続く日本の週初市場の4本を、株式・為替・コモディティ・マクロの観点から整理してお届けします。

中国5月製造業PMIが50ちょうどへ低下 — 生産51.2は拡大維持も新規受注49.9で需要鈍化、ハイテク製造業52.9が下支え

中国国家統計局(NBS)が5月31日に発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.0となり、前月から0.3ポイント低下して景気判断の節目である50ちょうどに張り付きました。内訳では生産指数が51.2と拡大を維持した一方、新規受注指数は49.9と50を下回り、需要面の弱さが改めて浮き彫りになりました。半面、ハイテク製造業PMIは52.9(前月比+0.7ポイント)、設備製造業PMIは52.1(同+0.3ポイント)といずれも改善し、半導体・AI関連を含む高付加価値分野が全体を下支えする構図が続いています。総じて「生産は拡大、需要は軟化」という分断が鮮明で、欧州委員会による対中通商戦略の見直しやEU向け輸出の頭打ちと相まって、6月以降の追加景気刺激策(特別国債・消費喚起策)への思惑がくすぶります。月初のアジア株・人民元・鉄鉱石など資源価格の方向感を左右する重要指標です。

米イラン60日停戦MOU、週末も署名に至らず — 新たにイラン復興向け最大3,000億ドルの「投資基金」創設が浮上

米イランの60日停戦延長を巡る覚書(MOU)は、6月1日朝(JST)時点でもトランプ大統領の最終署名に至っていません。大統領は5月29日(金)にホワイトハウスのSituation Roomで安全保障チームと約2時間協議しましたが結論は出ず、日曜(5月31日)午後を過ぎても「最終判断」は保留されたままです。複数の米報道によると、MOU案には(1)60日間の停戦延長とホルムズ海峡の再開、(2)イランの石油輸出の自由化、(3)濃縮ウランの処分方法と濃縮活動の在り方を初期60日間で交渉、に加えて、新たにイラン復興向けの最大3,000億ドル規模の「投資基金」創設と段階的な制裁緩和という金銭的インセンティブが盛り込まれた模様です。大統領自身がホルムズ海峡と高濃縮ウランの撤去に関する文言を直接修正したとも伝えられ、詰めの調整が続いています。原油市場では、Brentが5月29日に約6週間ぶり安値の1バレル91.2ドル前後まで下落しており、署名の有無が月初の原油・円・金の地合いを大きく左右します。

今週の注目日程 — 米5月雇用統計(5日)・OPEC+閣僚会合(7日)・ECB理事会(11日)、利上げ方向の欧州と据え置きの米国の乖離が焦点

週明けの市場は、重要な経済イベントが集中する1週間に身構えています。最大の焦点は6月5日発表の米5月雇用統計です。前月(4月)は非農業部門雇用者数が市場予想(6.2万〜6.5万人)をほぼ倍増する11.5万人増、失業率は4.3%で横ばいと底堅さを示しました。市場はFRBが当面金利据え置きを続けられるとの見方を強めており、平均時給と労働参加率の振れがドル円・米金利の方向を決めます。同じ6月5日にはインド準備銀行(RBI)が、ルピー安と原油高を背景に追加利上げに動くとの観測が強まっています。6月7日にはOPEC+主要8カ国の閣僚会合が予定され、5月に決めた日量18.8万バレル増産に続く判断が注目されます。さらに6月11日のECB理事会では、ラガルド総裁が物価見通しの上方修正を示唆しており、25bpの利上げがほぼ織り込まれています。利上げ方向の欧州・新興国と、据え置きの米国という金融政策の乖離が、為替の主要テーマであり続けます。

日本の週初市場 — ドル円159円台で介入警戒、日経平均は66,329円の最高値圏、東京コアCPI鈍化で6月利上げ観測は後退

週初の東京市場は、ドル円が1ドル159円台前半(159.26前後)で推移し、政府・日銀による円買い介入への警戒が引き続き上値を抑える構図です。財務省は4〜5月の円買い介入が月次ベースで過去最大の11兆7,349億円規模に達したと公表済みで、160円接近局面での再介入観測がくすぶります。株式では、日経平均が5月29日に前日比+2.5%の66,329円で引け、TOPIXとともに最高値圏に復帰しました。市場関係者の今週の予想レンジは6万4,000〜6万8,000円とされ、中東情勢と為替が振れの主因となりそうです。金融政策面では、5月の東京都区部コアCPIが前年比+1.3%へ鈍化し4カ月連続で日銀目標の2%を下回ったことで、6月の追加利上げ観測は後退しました。日銀当局者は実質金利が「極めて低い水準」にあるとして利上げ継続方針を示しつつ、中東発のエネルギー価格動向を見極める姿勢から、具体的な時期の明示は避けています。

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