経済ニュースダイジェスト

2026/05/29(金)12:00 JST  |  号ID: 2026-05-29-1200

東京都区部5月CPIがコア前年比+1.3%で市場予想下回る — 3カ月連続BOJ目標2%割れ、6月利上げシナリオが大きく後退

総務省統計局が本日午前8時30分に発表した5月の東京都区部消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除くコア指数が前年比+1.3%と市場予想の+1.5%および4月の+1.5%を下回りました。ヘッドラインCPIは+1.4%(前月+1.5%)、生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIも+1.6%(前月+1.9%)と全項目で減速し、コア指数は3カ月連続で日銀目標の2%を下回っています。ホルムズ海峡危機による原油高の輸入インフレ圧力にもかかわらず、サービス価格や財価格に明確な減速が出ている格好で、家賃・通信・旅行サービスの伸び鈍化が押し下げ要因となりました。植田総裁は4月会合後に「中東情勢を点検しつつ大きな下振れがなければ追加利上げ」と発言していましたが、本日の弱含みデータでオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場は年内追加利上げ確率を50%未満まで低下させました。

4月為替介入実績を財務省が公表 — 推定8兆〜10兆円規模で公式確認、2022年介入の合計を上回る歴史的水準

財務省は本日午前8時50分、4月の外国為替平衡操作実績を公表しました。事前推計ではBloombergおよびReutersが日銀当座預金残高の変動から、4月30日のドル売り円買いを約5兆円、ゴールデンウィーク連休明け5月6日までの合計を8兆6,500億円〜10兆800億円と試算しており、本日の公式データはこの推定レンジを概ね裏付ける規模となりました。介入直前のドル円は1年9カ月ぶりとなる160円台後半まで円安が進んでいましたが、4月30日夜のニューヨーク時間に大規模介入が実施され、ドル円は一時155円台半ばまで急騰した経緯があります。今回判明した規模は、過去最大とされた2022年9〜10月の合計約9兆2,000億円を上回る公算が大きく、外貨準備約1.2兆ドルのうち介入で消費した火力を市場が改めて点検する局面に入りました。

ドル円が一時159円割れ、日経平均は午前ボラ高い乱高下 — 安値63,875円から高値65,165円まで1,290円のレンジ

東京CPIの下振れと介入実績公表を受け、ドル円は朝方一時159.40円を割り込み、4営業日ぶりに159円台前半へ円高方向に振れました。日経平均株価は寄り付き直後に65,165円まで上昇する場面があったものの、その後円高進行と海外勢の利益確定売りで急失速し、午前の安値は63,875円(前日比▲818円安)を付ける乱高下となりました。前場引けは64,400円台でTOPIXも0.5%超下落しています。新発10年国債利回りは前日比2.5bp低下の1.61%まで下げ、CPI弱含みを受けた短期金融市場の利下げ織り込み拡大が反映されています。業種別では自動車・電機など輸出関連株が円高を嫌気して総じて軟調な一方、不動産・小売など内需関連の一部に買い戻しが入りました。

中国4月工業利益が前年比+24.7%、約2年半ぶり高い伸び — 半導体・石油精製がけん引、デフレ懸念に一部歯止め

中国国家統計局が27日に発表した4月の規模以上工業企業利益は前年同月比+24.7%と、2023年11月以来およそ2年半ぶりの高い伸びとなりました。1〜4月累計でも+18.2%と高水準を維持しています。けん引役はコンピューター・電子機器製造業で、利益が前年同月比でほぼ倍増しました。石油精製業も1〜4月累計の利益が約404億元に達し、前年から倍近くに拡大しています。一方で住宅市場の調整は長期化し、不動産関連投資はGDP比約6.1%まで半減した状態が続くなど、内需の二極化が鮮明です。人民銀行は27日にドル人民元基準値を6.8288と2023年2月以来の元高水準に設定し、AI・半導体株主導の上海・深圳株高と相まって人民元はじり高で推移しています。本日午前は上海総合指数が+0.4%、香港ハンセン指数が+0.3%でアジア株のなかでは独歩高となっています。

デル株プレマーケットで+4%上昇、米国防総省と最大100億ドルのAIサーバー契約観測 — 政府向けAIインフラが新たな成長軸へ

28日引け後にFY27第1四半期決算で売上高438億ドル(+88%)、AIサーバー受注244億ドルを発表したデル・テクノロジーズ株は、29日のプレマーケット取引で+4%超上昇しました。さらに米国防総省(ペンタゴン)が国防分野のAIインフラ整備に向けデルと最大100億ドル規模の複数年契約を協議中との観測報道が市場で広がり、追加の上昇材料となっています。会社側はFY27売上見通しの中央値を従来の1,400億ドルから1,670億ドル(前年比約+50%)へ大幅引き上げ、AIサーバー売上は500億ドルから600億ドル(同+103%)に上方修正しました。AIサーバー受注残も前四半期末の430億ドルから513億ドルへ拡大しています。アナリストの目標株価引き上げが相次ぎ、JPモルガンは目標株価を400ドル、モルガン・スタンレーは360ドルへそれぞれ引き上げ、デル株の年初来上昇率は135%超に達しました。AIインフラ需要が「ハイパースケーラー+政府」の二本柱へ広がる構図が鮮明になっています。

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